UIをずらして考える

2015.02.06

この記事が面白かったので、考えてみました。

LINE型戦略でリクルートと戦う 急成長『Pairs』『Couples』エウレカ赤坂優CEOの失敗と逆転
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/297/297753/

Pairsって名前だけ知っていたけれども、どんなサービスなんだろうって思って、DLして見てみてみました。「出会い」をもたらすアプリなのですが、UIが大変よく出来ています。

女友達の間でTinderが人気で、初めて触ったとき、「TinderのUIすげー」って(Tinderならではの、そのままやんけ感を)ひしひしと感じながら、思ったのですが、近しいコンセプトでも、UIが違うと全く違うサービスになりますね。

Tinder(最近はTinder UIを違う用途に転用したアプリがたくさん出てきています)のようなスワイプするだけのシンプルUIに対して、Pairsはmixi的なプロフ・コミュニティに支えられた奥ゆかしい「こちゃっとUI」でした。このmixi伝来の「こちゃっとUI」はやはり健在なんだなあ、と。

新しいアプリが世界で流行ると、もうそれがあたかもスタンダードになってしまうけれども、近しいコンセプトでも(厳密に言うと微妙に大きくコンセプトが違うからUIが異なるのでせう)、やり方を変えると自分たちでやる余地が出来るということがあります。動画サービスなら、YouTubeに対するニコ動、ショート動画アプリならVineに対するミックスチャンネル、みたいな。

そこで気をつけなければならないのは、あくまで「自分たちの流儀」としてのUI設計思想を確立しておくことなのかもしれないなと思います。B2Cサービスで成功している会社って、その会社ならではだなぁと思わされるUI設計思想を持っているものですが、「自分たちの流儀」って何かってことを考えるのは結構重要な視点ではないかと思います。

リーンスタートアップとかグロースハックとか、言葉は生み出されたけれども、サービスによって、そのやり方は違うわけで、Pairsみたいなmixi感を追求するときにTinderなシンプルさでリーンに始めたとしたら、ユーザの食いつく方向性(というか出会いの方向性。。)がまた違っちゃうだろうなと思うのです(そして、その逆も然り)。

ちょっと目線を切り替えて、仮に事業計画が必要だとするときに、人は「解決したい課題」と「ソリューション」・「ユーザ獲得方法」を描く傾向にあるものだけれども、「サービスの設計思想」という一枚紙をパッケージ入れてもいいんじゃないだろうかと思うのです。それをビジネスをジャッジする立場にある人間はフレームワークとして持っておいてもよいのかも(もしくは既に持っているのかも)です。いままでは画面を見て個別に判断する、というKKD(経験と勘と度胸)なことをしてけれども、βリリースの画面にその思想の全てを再現することは出来ないかもしれないので、「サービスの設計思想」という一枚絵を描くのです。

それは事業計画を書かないで始める人たちについても同じことが言えるかもしれません。というのは、いまWebサービスを作っていて、ものすごくサービスの設計思想を(単純化して言うと)「シンプル」か「こちゃっと」か、どっちに振るかで悩んだからなのですね。そこを決める前に、いきなりワイヤーフレームを描こうとすると、ユーザの方の顔を思い浮かべながら1パーツ1パーツを考える度に「うっ」となって、実に描きにくいのです。

脱線すると、「UIデザイナー」さんは、「シンプル」か「こちゃっと」か、どっちが得意か、あるいはその両方を器用にこなせるか、という特性分岐もあるでしょうね。そうしてふつふつ考えると、数年前の「いいから機能をそぎおとしてシンプルに作れ。シンプルがMAX善だ」とするのも1つの宗教だったなあと思います。だけれども、「こちゃっと」もシンプルだ、「こちゃっとしているけれどもシンプル」だという「こちゃっとシンプル」という宗教もありそうで、そうやってこの世界にはUIの袋小路があるのだろうな(茫)と思うくらいに考えるのが半分筋で、半分筋じゃないくらいに捨て置いておいた方がよいかなとも思えるのです。

それはそうと、LINEってシンプルなのでしょうか、それとも「こちゃっと」なのでしょうか。仮にシンプルだとしたとき「こちゃっとしたメッセンジャーアプリ」って何なのでしょうか、っていう問いがふと沸いたところで、それは週末の研究課題にして、筆を置きます。

他の記事も読む